光の筆で描く

 ご覧になっている写真は、椰子の木花火がふたつ重なって開いた様子です。 まぶしく耀く光の尾を引いて開いた花火は、最後に青紫色(ウルトラマリンブルー)の耀きを一瞬だけ見せて夜空に消えていきます。 初めからピントをぼかして写した光の軌跡は、強く耀く部分が線となり、弱く光る周辺はにじんで空に溶け込み、柔らかな表情になります。 この光景を見ていると漆黒のキャンバスにゴールドの絵の具をたっぷり含ませて一気に書き上げた絵画を思わせます。 夜空に開いた花火は、青紫色の飾りを付けたゴールドの花に変化して、ゴージャスな光のアートになりました。